MURDER ON THE ORIENT EXPRESS

容疑者のみなさん

9月に行ったイスタンブール旅行で、ペラパレスホテルというホテルに宿泊した。そのホテルでアガサ・クリスティーが『オリエント急行の殺人』を執筆したとか着想を得たとかいうことで、未読なので読んでみることにした。あまりにも有名な作品だが、アガサ・クリスティーの作品そのものを読むのが初めて。しかし、「トリックって、確かあれだよな…」と思いながら読んで、やっぱりあれだったので、最後に大技が決まった後も快感はなし。楽しみにしていたイスタンブールの描写は、冒頭にほんの少しアヤソフィア寺院の名前が出たりペラパレスホテルがモデルともとれるホテルが出てきたりする程度で、あっという間にオリエント急行に乗って出発してしまった。

面白かったら原文にもチャレンジしてみようと思ったが、とりあえずはいいかな…。イラストを描くにあたり、登場人物たちを画像検索していると、1974年版の映画 『オリエント急行の殺人』 のキャラクター造形に興味を惹かれる。特にドラゴミロフ侯爵夫人。小説で「ヒキガエルのように醜い顔だが、ヒキガエルと同じく、宝石にように輝く目をしている」と描写される、醜くも圧倒的な活力を秘めた貴族を、画像だけで思わず「なるほど!」とうなってしまうほどの説得力で具現化していた。

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