CUT BRA INTO TINY PIECES

ごくたまに誘われることもあるZoom飲み会

緊急事態宣言が延長されるそうですね。このまま東京オリンピックの前日まで延長されたら面白いですね(いや全然面白くない)。全く忙しいわけではないのに、日常の些細なタイミングがずれたり微妙な心の加減で絵が描けなくなります。描ける時は難なく継続的に描けるのに…。描けない言い訳ではないですが、ここ最近の状況を少し書いてみます。

Zoom飲み会に参加

先日、高校時代のクラスメイトがZoom飲み会に誘ってくれました。参加者は私を含め3名。私以外の2人は高校卒業後も継続的に友人関係を続けていますが、私は高校時代も卒業後もうっすらとしかその2人と関係がなく、なぜ誘ってくれたのかちょっと不思議なのです。いちおう、その2人のうちのひとりも上京しているので、『上京組』という枠に入れてもらっているのかもしれません。私は東京では夫以外とはほとんど交友関係がないので喜んで参加しました。2人は既婚で子どももおり、すでに育休を終えて子どもを保育園に預けながら仕事をしています。

当然ながら話題は子育てや仕事のことが中心になります。コロナ禍の状況のなかで家族の健康管理に細心の注意を払いつつ、朝は6時に起きて準備、子どもを保育園に預け、日中はテレワークで新人研修をしたり、新しく配属された上司の『できなさ』に辟易したり、忙しく働く間にあっという間に夕方になり、大急ぎで仕事を片付けて子どもを迎えに行き、夕食、風呂、寝かしつけなどを一気に片づけ、とそんな目まぐるしい毎日を過ごしているというのです。私は子どももおらず、仕事も大してしておらず、目下の関心は場所中の大相撲のことなのですがそんな話題をはさむ余地はどこにもありません。なんとなく画面上でにこやかな顔を作ることだけに腐心しました。高校時代からすでに同級生たちから浮いていた私でしたが、20年の時を経てその乖離はますます顕著であることを思い知らされました。2人ともとても立派です。

大相撲5月場所千秋楽を観戦

ここ1年ほど、コロナのおかげで大相撲のチケットがありえないほど取りやすくなっているのをいいことに、緊急事態宣言下にもかかわらずまた千秋楽の国技館に行ってしまいました。今回はグッズの買い物などもそこそこに、昼過ぎから始まる三段目の取組からじっくりと観戦しました。ここから幕下、十両、幕内と順にステージが上がっていくわけです。正直幕下に上がるだけでも遥かな道のり、幕内なんて遠すぎて本当に雲の上のような人たちなんだということを痛感します。隣に老人のグループがいたのですが、三段目の力士たちにも異常に詳しく、一体どれだけ見ていればこんなに詳しくなれるんだと驚嘆しながら解説代わりに聞き耳を立てていました。ひとつ勉強になったのが、取組中両者が組み合ったまま膠着状態になった時、老人のひとりが「お、水がたまってきたぞ」という表現をしたことです。結局そのまま両者動かず、行司によって2番後に取り直しになったのですが、相撲用語でそのことを「水入り」というそうです。取り直し前の休憩中に再び力水をつけるのでそう言うらしいですが、「水がたまってきた」という表現が通っぽくてかっこいいと思ったので真似したいと思いました。

今場所は大関に復帰した照ノ富士が盤石の相撲で他を圧倒し、千秋楽を待たずに優勝かと思いきや、終盤に惜しい2敗を喫したために優勝は決まらないまま千秋楽を迎えました。私は千秋楽に楽しみを残してくれてありがとうという気持ちで当日を迎えましたが、結びの一番でまさかの貴景勝が照ノ富士を突き落とし。なんと優勝決定戦が行われる運びとなったのです。千秋楽の盛り上がりに慣れてきていた私でも、優勝決定戦は初めてで、結びの一番後に再び両者が花道を歩いてくる時の会場の高揚感は格別でした。照ノ富士が優勝を決めた時は感動で目頭が熱くなったものです。感動の余韻はその後数日間私の中に残り続けました。何か崇高なものを見せてもらったという気持ちです。

NHKのアナウンサーによる優勝インタビューが終わると多くの人は帰ってしまうのですが、その後も延々と表彰式は続きます。私は友好国の大使が表彰状を一生懸命日本語で読み上げるのや、謎の副賞なども楽しいのでずっと見ています。1年に何度も優勝する照ノ富士のような力士はメキシコからの『コロナビール1年分』やアラブ首長国連邦からの『ガソリン1年分』がどれだけ溜まっているのでしょうか。隣の老人集団のひとりは「あれは換金できるから」などと訳知り顔に言っていますが、そうなのかな?

緊急事態宣言下でのキャバクラ通いがばれて休場した朝乃山。この『大関パネル』もおそらく今場所限りで見納め
おなじみ日仏友好杯の副賞マカロン。今場所は金色

古いブラジャーを捨てる

特に用事のない平日の昼間、私は溜まっていた古いブラジャーを捨てることにしました。ふつうの衣類とは違い、ブラジャーはワイヤーなどの金具が縫い込んであるため布の部分と金具の部分を切り離して捨てる必要があり、処分が面倒くさいものなのです。私は裁縫用のはさみで胸を固定するための半円のワイヤーや肩のストラップとカップ部分をつなぐ輪っかの金具、ストラップの長さを調節するアジャスターの金具、ホック部分などを細かく分解する作業に没頭しました。最近は自分でぬいぐるみを縫ったりするので、分解作業中もブラジャーの縫製の複雑なことに感心し、特に高価だった記憶もないことから、『中国製』のタグを見ながら安い人件費でこんな精巧なものを作らされる人に思いをはせたりしました。しかしだんだんレースやらメッシュやら様々な素材が複雑に入り組み、「この過剰ともいえる装飾性はなんだ」とブラジャーの作り込みが不気味に思えてきました。そのうちなんだかブラジャーが『中世ヨーロッパの娼婦』か何かが身に着けるもののように思え、ほとんど人目に触れない下着にこんな凝ったものを着込んでいる自分が薄気味悪く思えてきたものです。もうそういうことからはどんどん解放されていきたい。さらしみたいなものがほしいです。

描けないと思っていると依頼

しばらくイラストを描いていないなー、なんか描けないなーと思っていると単発のイラストの仕事が舞い込んできました。ありがたいことです。描けなかったらどうしようという不安がありましたが、急ぎだったこともあり余計なことを考えず手を動かすことができました。

私なんか子どももいないし、大した仕事もしてないし、力士のように強くもないし、なんだか生きているのが申し訳ないと思うこともあります。しかし今回のイラストの依頼者が出来上がりをすごく喜んでくれたので、自分にも人に役立つことがあると少し勇気づけられました。ちょっとずつでも続けていくことなんでしょうかね。

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