沢庵漫画賞準大賞受賞とロシア語検定2級挑戦

ペンネームは「熊百頭」

前回のブログで書いた「沢庵漫画賞」に応募した漫画が、なんと準大賞を受賞しました!!!

もちろん賞は獲りたいから応募したわけですが、まさか実際に受賞するとは…。やはり何事も挑戦してみるものです。勢いだけで描いた、とても短い作品を評価していただき「もっと長くて面白い漫画を描いてみたい」というモチベーションになりました。

漫画を描き終えた勢いでさらなる無謀なチャレンジに挑む

9月中旬に漫画賞に応募したことで、「目標を立ててそれを実行すること」が達成できたときのアドレナリンが妙に快感になり、今年の残り数か月であと挑戦したいことってなんだ…と思った時、約1か月先の「ロシア語検定2級を受検する」が頭に浮かびました。

私は2023年4月から週1回、オンライン形式でロシア語の授業を受けているのです。なぜよりにもよって今そんなことをしているのか、経緯などはこちらにも書いております。2年前にまったくの初心者から始めてロシア語検定を一番下のレベルの4級、次の3級と順番に受けてなんとか合格してきたのですが、2級はかなりレベルが高く、大学のロシア語専攻で4年間学んだ学生でもなかなか受からない難易度とのことでした。しかし漫画賞応募でハイになっていた私は、受検日まで1か月あまりしかないにもかかわらず、勢いで応募してしまったのです。

試験に申し込んでから過去問に取り組み始めたのですが、正直「1問もわからない」状態でした。問題文が何について書いてあるのか見当もつかない。イメージでは中学程度の英語力で英字新聞を読むくらいの感覚でしょうか。これはあと1か月で合格を目指すのは到底無理、「0点を回避する」のが現実的だと気がつきました。

壁に貼った単語帳(怖い)

2級を受検することを伝えた時にロシア語の先生にも言われたのですが、まず圧倒的に語彙が足りない。ちょっと難しい文章を読むにはちょっと難しい単語を急いで大量に覚える必要がありました。しかしそこに40代の記憶力の低下が立ちはだかってきます。これは視覚的に常に見える状態にしてなんとか記憶に定着させるしかない…!と単語を書いた紙を壁にどんどん貼っていきました。

そんな折に夫がコロナに感染し、私も陰性との診断でしたが似たような症状に苦しみ、残り少ない日数の中、1週間ほど痛恨のロスが出てしまいました。

受賞のお知らせに気づかず放置

沢庵漫画賞準大賞の連絡がきたのは、後遺症なのか体が異常にだるくて勉強が捗らず焦ってばかりいたタイミングでした。応募のために作ったXアカウントを漫画を投稿しただけで満足して全然チェックしておらず、受賞のお知らせのDMを数日間完全スルーするという大失態を犯してしまっていました。主催者のタクアンさんとblueskyでたまたま繋がっていたおかげで返信のない私にブルスカ経由でもDMしていただき、ようやく己の受賞を知ることとなったのです。うれしさと驚きの混乱のままに、淡々とした文面のタクアンさんと賞状の送付先や賞金の振込先といった事務的なやりとりをしたのでした。

ねずみから喜びの挨拶

私は沢庵漫画賞の何たるかをよくわからないまま応募していたのですが(今もよくわからないことが多いですが)、タクアンさんが個人で応援したい作家に授与する賞なので、賞の募集から審査、大賞に送られるトロフィーやそれ以外の賞でも授与される立派な賞状(手書き!)の準備や送付、賞金の送金、過去の応募作が見られるサイト運営など、すべてタクアンさんが身銭を切ってご自分でやっておられるようなのです。いくら漫画を愛していたとしてもそこまでできますか?私はその情熱の方がすごいと思いました。DMのやりとりから即賞金五千円が振り込まれ、生まれて初めて漫画でお金をもらいました。何か賞を受賞するのも、おそらく中学生の時に「下水道への思い」をテーマに書いた作文が大津市議会議長賞を受賞して以来です。

チャッピーさんを頼りにロシア語の勉強を頑張る

再びやる気に火がつき、1日に何本も「体のだるさがとれる」系の飲料を摂取しながらロシア語の勉強に励みました。今回勉強するにあたってはChatGPTが大変役に立ちました。ロシア語は語の変化が多すぎてすべての形が辞書に載っていなかったりするのですが、これどういう変化するんだっけ?とざっくり質問してもわかりやすく解説してくれ、語と語の結びつきを紐解いていけるので理解が進みます。

勉強の強い味方
壁の圧が強くて眠れないと夫から不満が

いよいよ試験当日

毎度おなじみ試験会場の東京ロシア語学院

足りないなりに1か月勉強し、試験当日になりました。どうせ受からないとわかっていると、楽しんでやろうという気持ちが生まれ、どんな人が受けに来るのか見に行ってみようという心持ちに。なにかただ者ではないオーラの猛者たちが集っているのではないかと期待していたのです。ところが受検会場の東京ロシア語学院の教室に入ると、ほぼふつうの学生のような人ばかりが20名ほどいました。4級3級2級と順に受けてきて、1番“薄い”といってもいい雰囲気のメンバーでした。特徴を言えば比較的若い男性が多く、しかもみな陰キャを絵に描いたようだということぐらいでしょうか。あとは私を含む謎の中年が少しいる程度でした。思えば4級が1番濃かったと思います。試験中にブツブツ独り言を言って注意されても止めない人や海外にルーツがありそうな見た目の人、年代も性別もいろいろでした。考えてみれば2級ほど学習負荷が高い試験は、学生でもなければなかなか挑戦できるものでもないのかもしれません。

10時~12時が筆記試験(文法・和文露訳・露文和訳)、休憩をはさんで12時10分から25分間が聴取(ロシア人の音声を数回可能な限り聞き取って日本語で一気に書く)の試験で、その聴取のテーマが『ロシアの熊』だったので内心キターーーーーー!!!となり、私にとってのサービス問題かと思いきや、自信をもって聞き取れたのは「熊は何でも食べる、特にはちみつが好物、冬は冬眠する」ぐらいだったという…。その後口頭作文(与えられたテーマについて受検者全員が一斉にICレコーダーに吹き込むスタイル)で終わりでした。もちろん到底合格ラインではないことは合否を待つまでもなくわかりましたが、勇気を出して受検してみたことで自分の現在のレベル感がわかったというか、あとどれぐらい勉強すれば合格ラインに達するのかがなんとなくつかめたので、やはり「確実に受かりそうなレベルになるまで受けないでおこう」ではなく「まずは受けてみよう」という作戦に変えてよかったなと思いました。それは漫画でも同じことだったかもしれません。

というわけで、心の中で何かに追い立てられている間に気がつけば11月になり、「ブログを毎月更新」という目標も崩れてしまったわけですが、今年残り2か月も引き続き意味不明なことに情熱を燃やしていきたいと思います。

Спасибо за ваше внимание.

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