ATTEMPT TO DRAW MANGA

まんがに挑戦

気がつけばもう4月。前回のブログで新宿タイガーが「今年はいいことがある」と言っていたので楽観視していましたが、戦争に地震に不安になることばかりじゃないですか!とタイガーに責任はないのに詰め寄りたくなるような毎日です。しかも4月の年度替わりというのは環境の変化が多く独特の緊張感を伴うもので、うまく流れに乗れないと後々ずっと引きずるため私にとっては大変なプレッシャーです。加えて天気が不安定だったり花粉症もあったりして、一年で一番いやな季節です。同じ方いますでしょうか。

ところで話題は変わりまして、今回は漫画をちょっとだけ描いてみたことを書こうと思います。今もそうなのですが、今年に入ってからずっとスランプ気味でして、なかなか思うように絵が描けない日々が続いています。心に火が灯らないと、仕事でもないのに絵を描くことはできない。日常の中で「これを描きたい」と思う場面に出会ったり、面白い映画を観たり、何らかの燃料がないと手が動かないのです。別に“描かなければならない”わけではないのですが…。

行き詰まりを感じた時は絵と関係なくともとりあえず本屋に行くのですが、先日も何か手がかりになるようなものを求めて本屋に行き、何気なく手に取って買ったのがこの『誰でもまんが家になれちゃうBOOK』です。

付録に画材がついてきます

いわゆる付録がメインで本の部分がおまけのような…。ムック本というんでしょうか。価格は2,200円(税抜き)でした。絵柄や内容から女児向けと考えると安くはない値段です。ペン軸、黒インク、雲形定規、はがきサイズのスクリーントーン5種、B5サイズの原稿用紙5枚、丸ペン2個、Gペン2個が付録として入っていました。

付録のまんが家セット
お手本

そしてお手本のまんがを参考に見様見真似で描いたのが冒頭の学園くままんがであります。イケメンをくまに入れ替えただけのパクリですね。しかしペン軸にGペンを挿し、黒インクにGペンの先を浸け、下書きの上から“ペン入れ”をし、髪の毛などを“ベタ塗り”し、スクリーントーンを切り貼りするというまんが家っぽい工程の数々に実にぐっときてしまい、久々に絵を描く高揚感を得られました。と同時に、あまりのペンやスクリーントーンの使いにくさから、「これってちゃんとした道具で描いたらどんな使い心地なんだろう?」との興味が湧き、早速画材屋で道具を買い直してみることにしました。それなら最初からちゃんとした画材を買えば無駄なお金を使わずに済んだのですが、なかなかゼロからまんがに必要な画材を揃えるのは心のハードルが高い。“きっかけ”を与えてくれただけでも元は取れたと思っています。もう大人なので、それぐらい買える余裕はあるので…。あと付録についていた雲形定規、これも使ってみたかったのですが、『顔の輪郭や髪を描く時に使う』と本には書いてあったのですが、「定規使ったら逆に描きづらくないか!?」と思い結局使わずじまいでした。

で、それからせっせと新宿の世界堂に通って買い揃えたまんが用画材がこちらです。

ペンと消しゴム以外すべてDELETER

ペン軸、黒インク(写真に映ってない)、スクリーントーン、A4サイズの原稿用紙、丸ペン、Gペン、タマペン、トーンナイフ、トーンヘラ、消しゴムです。意識したわけではないですがDELETER社のものが多くなりました。スクリーントーンで有名な“コミック画材”のメーカーのようです。まんがを描こうとなった今の今まで全く知りませんでした。で使ってみての感想ですが…当たり前ですが、付録の画材とはまるで使い心地が違いました。特にスクリーントーン!付録のトーンはほぼ普通のシールのような粘着性で、一回貼ってはがそうとすると紙の質がよくないこともあり紙が破れてしまうような代物でした。しかも普通のカッターナイフで細かい箇所を切るなんてほぼ無理です。一方このDELETER社のトーンはヘラでこすらない限りは“仮留め”程度の粘着力しかなく、最初にトーンナイフで大まかにカットして、次に線画に沿って細かくカットした後にヘラでこすって固定するという二段階での作業ができる優れものなので、ただのシールとは全然違います。一新した道具で描いたオリジナルまんが第一作がこちらです。

自分の朝の様子をまんが化

とりあえず1枚仕上げることを目標にしたのでストーリーはなく、日常の風景をまんがにしてみました。最初にお手本にしたテキストの中のまんがが真ん中の人物を一番大きく描きコマ枠をはみ出させている構図のものだったので、そのスタイルを踏襲したコマ割りになっております。たった一枚なのに、恐ろしく時間がかかりました。2~3日ぐらい。スクリーントーンも6~7種類使っています。スクリーントーンを貼る作業が最も時間がかかり、尚且つ楽しいと感じる作業でした。こんな非効率な作業、プロだったらやってられないと思います。自分でもすぐにデジタルに移行するでしょう。だって印刷されたものを貼ってるだけなので、“アナログの味わい”が出るものでもありませんし。なんですけど、でもこの無限に時間を食うスクリーントーン貼りが一番楽しい。試しにチェーン店のコーヒーショップでもトーン貼りをやってみましたが、作業自体は捗りますが、なんか目立ちます。「うわっスクリーントーン貼ってる…」という隣からの視線を感じました。

1枚仕上げたから今度は2枚描くぞ!と意気込み、今度は短くとも少しストーリーのあるものにしたいと“ネーム”なるものにも挑み、何となく話を定めてから描き始めました。サラリーマン風の男性の昼休みの様子を描いたものですが、リモートワーク中の夫が昼には必ず近所のそば屋で鴨せいろを注文して食べているという話から着想を得ました。

これもたった2枚ながらおそろしく時間がかかりました。4~5日ぐらい。まんが家と力士に早死が多いわけです。体に悪い。

今回まんが画材コーナーで買った中では、スクリーントーンの他にもおにぎりみたいな形の消しゴム“コミケシ”もめちゃくちゃ使いやすく、普段のイラストの下書きを消す時にも役に立っています。ペンについてはまだよくわからず、特にGペンは使いづらくて本当にこれで描くのがいいのか、今までイラストを描く時に使っていたミリペンでいいのか悩み中です。スクリーントーンはクリスタを使ってデジタルでもやってみましたが、時間効率的には絶対デジタルの方がいい。でも『まんがを描く』という楽しみが得られるので、しばらくは手作業でちまちまトーン貼りを続けてみたいと思います。でも外でやるのはやめておきます。細かいゴミも出るので…。次回は4ページまんがに挑戦しようと思うので、完成はまだまだ先になりそうです。以上、まんが超初心者からの報告でした。すべてのまんがを描く人を尊敬します。

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